うめはらなかせのレパートリーになった歌について

 
 
    歌についてのあれこれを、うめはらが語っていきたいと思います。
第1回「おたすけ」   第2回「I will」  第3回「Wednesday Morning,3AM」
第4回「お富さん 第4.5回「銀座カンカン娘」  第5回「leaving on a jet plane
第6回「海をみていた午後」 第7回「We Are The Champions」  
 
 
第4回は「お富さん」です。
 
うめはらなかせのレパートリーをジャンル別に分類すると、フォーク、ロック、歌謡曲、懐メロ、童話、CMソング・その他になります。「お富さん」と「銀座カンカン娘」は懐メロの代表でしょう。60代以上のお客様にお聴かせするのに、ふさわしい曲です。
 
 
うめはらなかせはレパートリーが広範囲にわたりすぎていて、どれが本人たちの本当にやりたい曲なのか、わからないと思う方もおられるかもしれません。でも、正直なところ、ぼくらはどの曲もやりたくてやっているのです。きっとぼくらのレパートリーには、どこか共通点があるのでしょうが、ぼくにはそれが何なのかはわかりません。ただ、工夫のしどころがある曲というところが共通しているのかもしれません。
 
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「お富さん」はお世話になっている会社の社長さんのお名前に「富」がつくので、替え歌をつくらせていただいたことが原点になっています。
 
 ♪エグいネクタイ ピンクのシャツに ヤクザ姿の 薄い髪

まあ、お世話になってる方に対して、なんてひどい替え歌を捧げたものでしょう。でも、会社の皆さんは、ご本人も含めて、陽気に手拍子をたたきながら歌ってくださいます。とはいうものの、そこにうめはらなりの工夫が潜んでいることに気づく人はほとんどいないでしょう。
うめはらの工夫とは、ギターコードです。お化粧で女性の印象がガラリと変わるように、伴奏のギターコードを変えることで、曲の印象もガラリと変わるのです。もっとも、その効果は自分だけにしか実感できないみたいですが……。




というところ、とくにお釈迦さまの上のF#に変わるところが弾いていて気持ちがいいんです。なんでなんでしょう。多分、マイナーへと転調させていくF#というコードが、「ここからメロディがグイッと変わるんですよ」と強調している感じが出ているからだと思います。ああ、でも、この感じ、聴いている人にわかってもらえるかなあ。
 
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歌のハーモニーについては、なかせさんと何度も試行錯誤しながら考えました。3番でブレークして軽快なテンポを止め、しっとりと
歌うところはなかせさんのアイデアです。

 のところは、上にコードの変化があるからこそ、ハモれてるのだと思います。 で、前奏の工夫としては、いえ、工夫じゃなくてパクリですね。これはクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングの「Carry On」という曲の前奏を借りています。そしてエンディングはハーモニクス7連発! というふうに、けっこう工夫してるんです、この「お富さん」。もちろんメロディーも歌詞もいいし、この歌の世界(切られの与三とお富さんの道ならぬ恋の物語)もまた面白くて、MCでお客様にお話すると喜んで聞いていただけます。そういう意味では、最初に書いたように「工夫のしどころのある曲」なんですね。  
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 この歌には実は、うめはらなかせ+加藤さん&ゆかりさんバージョンというのがあって、「ふくぶくろ」の加藤さんがフラットマンドリン、その友人のゆかりさんがアコーディオンで加わって、さらに厚みのある演奏でお聴かせしています。なにせ録音してないもんですから、ぼく自身もまだ聴いたことがありません。一度、この4人バージョンを聴いてみたいもんですが、うめはらなかせより、はるかに若いゆかりさんが、「お富さん、演奏してて楽しいです」とおっしゃるところをみると、やはり原曲がすばらしいのですね。
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