第6回は「海を見ていた午後」です。 |
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「海を見ていた午後」は、『ミスリム』(ユーミンの2ndアルバム)に収録されていました。発売は1974年ということです。当時大学生だったぼくは、荒井由美のファンだった高校の同級生F君から『ひこうき雲』に続けて、このアルバムを借りて、オープンリールデッキに録音し、くり返し聴いたものです。 |
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ユーミンは、メロディ、歌詞、コード進行、演奏、どれをとってもユニークかつハイセンスで、とりわけメロディの意外性についてはまいっていました。そのころ、『暮しの手帖』に服部良一氏の連載エッセイがあって、作曲家の大御所が荒井由美と小椋佳のメロディづくりを称賛していたのに意を強くしたものです。もうひとつ、服部良一に感心したのは、「音楽は新しいものが面白い」と語っていたことです。あれだけヒット曲を連発した人は、やっぱり視野も広いし、新しいチャレンジに寛容なのだなと思いました。 |
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さて、ユーミンですが、ただひとつユーミンの音楽で物足りなく感じていたのは、ハーモニーでした。もちろん要所要所にはあったものの、主旋律全体を覆うようなハモはなかったので、ぼくはいつもテープを聴きながらハモをつけて歌っていました(女声なのでいっしょにメロディを歌うには高すぎるという実際的な問題もありました)。メロディがユニークだったので、ハモもユニークです。 |
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「海を見ていた午後」が、うめはらなかせのレパートリーになったのは比較的早い時期でした。なかせさんにこの歌を候補曲としてメールしたとき、聴いたことがないけど歌ってみたいという返事だったような記憶があります。ユーミンのこんなに有名な歌を聴いたことがないというのは驚きでした。でも、実際に合わせてみると、ハモがぴったりでした。30年以上も前のハモがようやく日の目を見れたことはうれしかったですね。
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もともとユーミンの曲をギター1本で演奏するのは無理があるのですが、とくに間奏部分の電子オルガン(?)のメロディは難しいので、ハミングしています。ご愛敬だと思って聞き流していただきたいですね。
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海をみていた午後
あなたを思い出す この店に来るたび
坂を上って 今日もひとり来てしまった
山手のドルフィンは 静かなレストラン
晴れた午後には 遠く三浦岬も見える。
ソーダ水の中を 貨物船がとおる
小さなアワも 恋のように消えていった
あの時目の前で 思い切り泣けたら
今頃二人 ここで海を見ていたはず
窓にほほを寄せて カモメを追いかける
そんなあなたが 今も見えるテーブル越し
紙ナプキンには インクがにじむから
忘れないでって やっと書いた遠いあの日
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